2025年に開催される大阪関西万博。
大阪府内に住居または在学している子どもたちを無料招待するという事業があります。子どもたちに肌で万博、未来社会に触れてもらうことが目的です。
5月27日、大阪府の吉村洋文知事が“75%に相当する950校もの学校から参加希望があった”と自信のXを更新。
しかし、残り25%は未定・検討中であり、そもそも「参加しない」という選択肢が無かったということが明らかになり波紋を呼んでいます。
吉村洋文氏【X:@hiroyoshimura】より
大阪府の子どもは入場料無料!?
大阪府内に住居または在学している4歳から高校生までを無料招待することが大阪府より明らかになっています。府内学校の小中高生は学校ごとに校外学習として招くのを基本とし、4,5歳の子どもたちには入場券を配布するようです。
世界の文化や最新の技術を直接見たり感じたりできることは、プラスの体験になりそうですよね。
しかし、いくつかの要因からこの無料招待に関して、学校関係者から不信感を感じるとの声があがっているようです。
「希望しない」の選択肢がない
大阪府の調査によると、府内の小中高、支援学校の計約1900校を対象にした意向調査の途中経過を発表。これまでに回答があった約1280校のうち約75%にあたる約950校が「希望する」、約25%にあたる約330校が「未定・検討中」と回答。
この調査結果に対し、大阪府交野市長の山本景氏は「希望しない」といった選択肢がなかったと反論し、未回答の約620校を含めずに75%という数字を発表したことについても「極めて誤解する内容だ」とし「調査をやり直すべきだ」と主張しました。
たしかに「希望しない」が無いのは変ね・・・
「未定・検討中」を選択すると・・・
該当アンケートはインターネットにより行われ、
「未定・検討中」を選択すると、「事務局より連絡する」「来場希望日等の入力が行われなかった場合、来場日等の確定が遅れる可能性や日程を確保できない可能性が発生します」 などの記載があり、希望日などを記載しなければ、のちのちの日程調整が困難になる、と思わせる内容となっていました。
学校行事等、厳密な日程調整が必要な学校側にとって厳しい状況になってしまうといえます。
「未定・検討中」の要因
不透明な点の多さ
学校側からは、
学校行事となると綿密な準備が必要・・・アクセスや昼食の休憩場所、安全性など不透明な点が多いと計画が立てられない。
などの声もあがっているようです。
まだ建設途中とはいえ、不透明な部分が多いと、多くの児童を預かる責任の身としては難しい部分があるのが分かりますね。
メタンガス爆発事故
万博会場4カ所でメタンガス検出、パビリオンや「リング」の工区 (msn.com)
3月28日、溶接作業中の火花が可燃性のガスに引火する爆発事故が発生。コンクリートの床が約100平方メートルにわたって壊れたほか、天井などにも損傷が見つかりました。
その後、万博協会は工事前にガス濃度の測定を行わなかったことが事故の原因として、再発防止策をまとめた上で、4月22日には工事を再開していますが、海外や企業などパビリオンが集結する「パビリオンワールド」の建設現場内でも、再検証した結果、新たに4か所で低濃度のメタンガスを検出したことが判明しています。
教職員らの労働組合は4月、
「同じような事故が起こるのではという不安や子供を連れていって大丈夫なのかという心配の声があがっている」
「大阪府教育委員会として、事故について調査を行い、安全であることを確認できるまでは、各学校に万博の招待事業に参加するかを確認する意向調査を中止すべきだ」
との声も上がっており、大阪府などに対し、事業の見直しを求めています。
安全が大前提の教育現場にとって、建築中の事故や安全性への不信感は大きな打撃とも言えます。
子ども招待が中止に!?
5月24日、大阪府交野市長の山本景氏は会見を開き、交野市内の小中学校13校すべてに参加の意向がなかったことを明らかにしました。いずれも、交通面のアクセスやバスの確保など、引率が難しいといった要因があげられました。
同じように、不明瞭性、交通面、安全面の理由から現段階では、子どもを学校単位で招待することは難しいと考える学校も増えてくるかもしれません。
とはいえ、少しでも多くの子どもたちがさまざまな文化や最新技術に触れることができる可能性のある絶好の機会です。状況改善を望むばかりです。
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